大判例

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東京地方裁判所 昭和43年(ワ)11243号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕(二)被告会社の責任

被告近内に本件事故の発生について過失があることについては前に認定したとおりであり、被告会社が板金、鉄骨、製罐等の製造販売を業とする会社で、被告近内の使用者であること、加害車が被告国分の所有にかかるものであることおよび被告国分が被告会社の代表取締役であることについては当事者間に争いがなく、被告近内本人尋問の結果によれば、本件事故は、被告近内が被告会社の昼休みを利用して私用をはたすべく被告国分に無断で会社の事務所内から加害車のエンジンキーを持ち出し会社内の車庫にあつた加害車を乗り出して惹起したものであることが認められる。そして被告近内の右のような運転行為はこれを外形的に観察するときはなお被告会社の業務執行中の行為ということを妨げないから、被告会社は、民法七一五条一項により原告らに対し本件事故によつて生じた損害を賠償する責任があるというべきである。

(三) 被告国分の責任

被告国分が加害車を所有していたことは前記のとおりである。ところが、同被告は、本件事故当時車は被告近内に無断運転されていたものであるから、被告国分はその運行支配を喪失していた旨主張する。本件事故当時被告近内が被告国分に無断で加害車を運転していたことは前に認定したところであるが、前記および後記被告国分と被告近内の地位、前記加害車の乗出しの目的、態様に徴すれば、右の程度の無断私用運転では被告国分はいまだ加害車の運行支配を喪失しないというべく、したがつて同被告は加害車の運行供用者として原告鈴木が本件事故によつて蒙つた損害を賠償する義務があるといわなければならない。

また、被告近内が被告会社の業務執行中過失によつて本件事故を惹起したものであることおよび被告国分が被告会社の代表取締役であることは前にみたとおりであり被告国分が被告会社に代わり現実に被告近内の業務執行を監督する立場にあつたものであることは弁論の全趣旨により認められるところである。したがつて、被告国分は代理監督者として原告会社が本件事故によつて蒙つた損害を賠償する義務がある。(並木茂)

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